白魔道士になりたい

常にFLASHBACK

夜明け 東京 オニヤンマ

※四十九日の最中のことを書いてます。

自分は宗派とか特にないので、何が失礼にあたるか分かってません。

読んでいやな気持ちにさせちゃうかもしれないので、式中の雑念とかそういったのが苦手な方は読まない方がいいかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

住職さんがお経を詠み始めた。

するっと【ヘイヘイ!思いっ切り風邪でござい!!】ってくらい痰が絡んでいらっしゃる…

住職さんwwwww大丈夫かよwwwってな感じで四十九日が始まった。

 

 

 

お焼香のターンになった時に、1匹の超巨大なオニヤンマが入ってきた。

おいおいこんな状況で入ってきたらみんな思うことが一つになっちまうぜ…

(あれ!あのオニヤンマ、かっちじゃない…!?)

(たまらずオニヤンマの姿を借りてきちゃったんだねグス)

(心配なんだねぇ…)

 

 

お焼香が終わっても低空飛行を決め込むオニヤンマに一同の視線は釘付け。

目で追いきれない区域に入ったらみんなで首移動させてまでオニヤンマに夢中という普通じゃ考えられない事態にちょっと笑ってしまった。

 

 

 

住職さんが戒名と塔婆の紹介に入った時に、事件は起こった。

 

さっきまでありえない羽音を立てて浮遊していたオニヤンマが、塔婆に留まって微動だにしなくなったのだ。

おいおいおいなぜそこでちゃっかり空気を読むんだオニヤンマいやオニヤンマ氏。

みんながみんな塔婆じゃくて塔婆に留まってる彼に視線を集める。

間違いなく彼は今回の主演男優賞だ。彼こそ英雄。

 

 

 

 

 

その後でお寺でご飯食べたんだけど、まぁオニヤンマ氏の名演っぷりにみんな興奮と絶賛の嵐。

 

ぼっち『あのオニヤンマってww』

叔母さん『だよね!思ったww後ろから見てたけどみんな追いすぎwwww』

お義兄さん『塔婆に留まった瞬間のみんなのひとつになりようヤバかったwwwww』

妹『無言なのに一体感すごかったですよねww』

お義父さん『あぁ、やっぱりみんな見てたんだねぇw』

お父さん『しかもあんなでっけーオニヤンマ見たことないww流石田舎www』

お義姉さん『田舎www確かにwww』

ぼっち『さり気なくディスるなよwww』

 

 

 

 

 

 

 

 

こんな気持ちで四十九日を過ごせるとは思ってなかった。

自分の気持ちひとつで言っちゃうと、不安で、ちゃんと出来るか、誰かをいやな気持ちにさせないか、本当に不安で自信なくてそれだけだった。

それなのにこんなに穏やかに終われるなんて、やっぱかっちはすごいんだなぁ。

神格化に歯止めが効かなくなるよこれじゃあさ!

 

 

 

 

その後は車3台でかっちの実家に。

向かう車内でもまだオニヤンマ氏の話に夢中な私、妹、妹旦那ちゃん。

あれは住職の奥さんがラジコンで操ってた説まで飛び出し、ほんとうに笑ったなぁ。

ひたすら笑いながら、みんなで泣いた。

 


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