この前、『音楽とか匂い、季節感はその時の記憶を蘇らせる』
みたいなことを書いた。
その中の 匂い について、ちょっとどうしようか悩んでいることがある。
かっちは香水を使わない人。
なんなら強すぎる香水や柔軟剤の匂いがNGな人なのだ。
でも、なんだろう、頷いてもらえる気しかないから書くけど、好きな人の匂いっていい匂いじゃないですか。
しかも香水とか振ってないから純度100%なわけで。
私はかっちが好きだけど、かっちの匂いも好きだ。
同じ洗濯機で、同じ洗剤、柔軟剤を使っているのにどうしてこんなに違うのだろうかと一時考えたことがある。
でも、かっちも同じことを思っていたようでちょっと笑ってしまった。
『なんで俺と同じなはずなのにぼっちの服はなんかいい匂いすんの?』
答えは出なかったんだけど、きっとそういうもんなんだろうなぁって。
家に帰ってきて広がるかっちの匂い。
くっつくとダイレクトにくる。
寝る時も隣に居るからそれだけでスヤァっとなる。
そんな安心する匂い。
引かれるの覚悟でちょっと書くね。
最後にかっちが着ていたパジャマがあるんだ。
無印で買った、かっちお気に入りのパジャマ。
家でも春秋用によく着ていた。
それを、病院から持ち帰ってから、一度も洗濯機に入れられていないのだ。
ちょっときつくなってきたな。思い出すの。
私がそのパジャマをしっかり認識したのが、かっちのお葬式が終わってからのことだったと思う。
病院から持ち帰った荷物は、紙書類の他に、入院する時に持ち込んだ旅行鞄の中。そのままになっていた。
なんだったけ。何かを取り出さなきゃって思って、その旅行鞄を開けた。
そしたら一番上に数日前までかっちが着ていたパジャマ。
ダイレクトにかっちの匂いがぶわぁと広がった。
そのパジャマを広げてみて、私はわぁわぁ泣いてしまった。
放射線治療を前日までやっていた。
その時に体に付けられる印?みたいな赤い痕がパジャマにくっきり、しかもそこらじゅうに残っていたのだ。
かっちは頑張っていた。
ずっと思っていたことだったけど、こんなに何箇所も。
そう、頭で思っているのにパジャマからはいつものかっちの匂い。
あまりに混乱して頭おかしくなったかと思った。
いや、おかしかった。
今もだけど。
その日から、そのパジャマをそのまんまにしてある。
衣装ケースの上に、かっちのパーカーとかジャケットとかが詰まれているんだけど、その服たちの中にパジャマをぎゅうっと詰め入れて、何日かに1回、匂いに会いに行く自分が居る。
掃除をしていてもそこのスペースだけ、どうしても動かせられないしいじれない。
匂いを閉じ込める方法、ご存知の方いませんか?
バカなこと聞いてるって自覚はある。
ぐぐってもみた。
でも、違うそうじゃないんだ…的なことばかり。
フランスの会社が(人の匂いを再現する香水)の開発に成功した みたいな記事も読んだ。
これ早く日本に上陸しようよ。と切実に思う。
絶対買うのに。