白魔道士になりたい

常にFLASHBACK

仕事のこと1

私は出版関係の営業や事務をやっていた。

ずっと音楽をやりながら、紹介してもらった会社でトータル4年くらいかな?

融通も利くし、社長も役員も同じ立場の仲間も、みんな仲が良くて、とても居心地のいい会社だ。

扶養内で、家のこと、やりたいことを優先に働きに出る感じだった。

 

 

 

 

仕事どうしよう とずっと漠然と悩んでいた。

 

いきなりひとりになって、

自分のことを支える人間は自分。

自分のことを養う人間は自分。

それって当たり前のことかもしれないけれど、いかんせんぬるま湯+温室でぬくぬくしていた自分。実感するまでに少し時間がかかった。

 

 

 

 

 

 

 

ある日、かっちの会社に呼ばれた。

手続き関係のことだった。

親身になってあれこれやってくれて、とても助かった。

その時に、『これからお仕事ってどうするんです?』と聞かれた。

まだ全然…と云ったら、かっちの会社から(よかったらうちで働きませんか?)と云ってもらった。

 

『かっちさんがしてきてくれたことを考えたら全然足りないくらいのこと』

『かっちさんの残してくれたものはとても大きくて、会社にとって本当に必要不可欠だった人』

『会社として、最大限のことをしていきたいと思う。かっちさんに対する恩返しも含めて』

『それくらい、かっちさんは自分たちにとっても大切な存在だった』

 

 

帰り道でボロボロに泣いた。

泣きながら、ゆっくり歩いた。

かっちはやっぱすごいんだ。

かっちはやっぱとってもすごいんだ。

ありがたくって、喪失感がたまらなくなって、もうどうしようもなかった。

『いつでもいいんで、連絡待ってます』

と最後に云ってもらえて、なんて今の私にはもったいない言葉なんだろうかと思った。

 

 

 

 

 

 

暫く、ぼやっとした日々が続いてたんだと思う。

断片的には覚えている。

印象深かった出来事とかはしっかり残っている。

けど、日常の流れや季節の流れはあまり把握出来ていない。

忘れているのか、思い出せないのか、わかんない。

 

 

そんな中、今度は自分の会社の社長から呼び出された。

社長はひたすら私のことを心配してくれていた。

闘病中も、とても気遣ってくれて、いつも以上に融通も利かせてくれた優しい人なのだ。

 

お肉屋さんで、仕事の話を切り出された。

『お前の望むようにしてやりたい』

『お前はどうしたい?』

正規雇用がいいのか、バイトがいいのか、一緒に考えよう』

『お前、月にいくら必要なんだ?家賃とか食費とか計算すっぞ』

 

どうしてこんなによくしてくれるんだろう。

どうしてこんなに優しくしてくれるんだろう。

今の私にそんなにしてもらえる価値あるのかな。

ぐるぐるとそんなことばかり考えていた。

ここでも、ありがたくって、喪失感がたまらなくなった。

この時に、かっちの会社でのことを思い返していた。

そんでやっぱり、今の私にはもったいないくらいの言葉だなんて思った。

 

 

 

 

 

そして私はこの次の日から、友達に相談をし始めた。

 

 


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