白魔道士になりたい

常にFLASHBACK

仕事のこと6

そこからの1週間は自己暗示かけまくりの日々だった。

ちょっとでもダウナーなことを思うとあっという間に全部やんなる。

行かなきゃ と、行きたくない が交差しまくって、吐き気がする。

自分で決めたんじゃん!と自分自身の言葉にがっちり雁字搦めにされて、胸がずっと苦しい。

 

かっちの会社に話を聞きに行くまでの5日間は、自分をいかに保つか こればっかり考えていた。

 

無理矢理昼間に予定を沢山詰めた。

人と会ってれば、外に出ていれば、安直な私はそう思ったのだ。

途中、多少の浮き沈みはあったが、なんとかかんとか金曜日までそうやって漕ぎ着けた。

 

 

 

 

 

金曜日、かっちの会社のある駅に時間より少し早めに着いた。

あの蒸しかえる暑い、雨の日をここで思い出した。

 

お葬式の後、かっちの会社にお礼を云いにきた時。

雨が降っていたんだ。

8月の半ばだったかな。

じめじめと肌に張り付く水滴が、雨なのか、汗なのか、涙なのか、よくわかんなかった。

ぼんやりと、かっちの会社までの道のりを歩いて、会社でかっちへの思いを聞かされて、喪失感でボロボロに泣いた帰り道。

帰りは雨やんで、天気雨の後みたいにきらきらしていた。

 

少しクリアになった頭のつもりだったのに、その日のことを思い返すだけで目眩がする。

歩いた道のりをまた、ゆっくりなぞって歩いた。

会社に向かうだけでこんなんなるとか、本当にかっちの会社に行くことになったら私大丈夫かよwww

とか、脳内で自分をちゃかして気を紛らわす。

会社の前に着いて、自分のハンカチの匂いをすうっと吸い込んで、入った。

 

 

 

 

そこからはただただ流れるようだった。

私が(お願いします)と一言云えば、もう総てがはい決定!みたいな空気。

 

改めて、すごい身分不相応な話だと思う。

31歳、学歴なし、ちゃんとした職歴もなし、資格もなし。

こんな使えるか使えないか、何が出来るのかわからん人間を、いきなり正規雇用

かっちの奥さんってだけで。

 

そう、私はかっちの会社からしたらかっちの奥さんってだけの人間なはずなのに。

それでも、私はかっちの触れていた世界を少しでも見てみたい って欲が勝ったよ。

かっちが歯車のひとつになっていた世界で私に何が出来るだろう。

そう思い初めてしまったら、止まらなくなったんだよ。

だってこんな機会、多分もう私の人生で訪れない機会だと思う。

私が選んだ。

私が確かに選んだ。けど、かっちは笑ってくれる と思いたい。

(頑張ってみたらいいよ~)っていつもみたいにヘラヘラ笑いながら。

そう云ってくれてる って思いたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

その日、家に帰ってきて書いた記事。

hitoribocchi17.hatenablog.com

苦しかった。

それから、嬉しくて、ありがたくて、悲しかった。

色んな感情が複雑で、ぐちゃぐちゃに織り成した糸が更にこんがらがった状態。

そんな時に、素直に書いた文。

 

 

これからどうなるか。それはわからない。

わからない って云って保険かけさせてほしい。ずるくてごめん。

 

私も歯車のひとつに成れるかなぁ。

 


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