何かを云おうとしても、詰まって嗚咽しか出なくなってしまった。
お母さんはずっと背中をさすってくれて、お父さんは『ゆっくりでいいから何でも云ってくれ』と待っていてくれた。
お茶を飲んで、少し落ち着いてから、もうあまり使い物にならない思考回路でなんとか言葉を出した。と思う。
23日に感じた壁の話とかを、まとまってない言葉で話した。
相槌を打ってもらいながら、牡蠣までの流れをなんとか説明した。
本当は私そんなに達観してないし、そんなに出来た奴じゃない。
そういう自分に成りたくてやってたけど、やっぱ無理だったんだ。
毎日どっかしらのタイミングでべそべそ泣いてる。
かっちが死んじゃったのは分かるけど、悲しくて悲しくて辛くてどうしようもない。
体も自分の体じゃないみたいに、不調だらけだ。
ベビー用品店も辛かった。
みんなの仕事の話も辛かった。
妹と妹旦那ちゃんの将来の話とか、子供の話とかも、全部全部いやで、辛かった。
私は今まで親や妹に対して(羨ましい)って感情になったことがなかったけど、
今は全部羨ましいんだよ。
お父さんとお母さんがちっさいことで喧嘩してるのを見て(いいなぁ)って思うし、
妹と妹旦那ちゃんが『温泉行ってきた~』とか、将来の話をしているのをみると(いいなぁ)って思うし、
そんなこと思う自分がすごくいやなのに、思うことを止められなくて、また自分がいやになるんだ。
これ以上のことも云った。
きっと云った。
泣きながら云った。
全部受け止めてくれた。
その後、みんなで暫く長い話をした。
それぞれに抱えるかっちへの喪失感。
私の親が抱える辛さ。
私の親が抱える苦しさ。
私の親が感じる無力さ。
聞かせてもらえて、よかったと思えた。
話してもなんにも解決はしない話だったはずなのに、(知ってもらえている)ということがこんなにも嬉しいことだとは思わなかった。
お父さんは『お前の気持ちを知らないまんまでいた方が絶対俺はいやだった』って云ってくれた。
すごく救われた。
私の性格を知ってるからか、その一言は本当にありがたかった。泥の中でキラキラしていた。
2時間くらい話して、ちょっと何かが削がれてきたかも って思って、私は眠った。
泣き疲れて眠ってしまった。
赤子か。