誰とも会わない、誰とも話さない、そんな一日だった。
そんな6回目の月命日だった。
ずっとベッドの中で息をしているだけ。
ずっと体を横に倒しているだけ。
私の意志や気持ちはどこにもなかった。
なんにもしたくないなぁ ってぼんやり思うくらい。それだけ。
覚醒しないまま起きている感じだ。
ずっと目覚めなければいいのに。
でも私は生きちゃってる。
生きちゃってるから当たり前にトイレに行く。
喉が渇くからお茶を飲む。
テレビだって見る。
外に出る時はちゃんと武装という名のお化粧だってする。
寒いからちゃんとコートを着て、普通を着飾る。
かわいそうだって思ってくれるな。
私は敵でも味方でもない通行人のみなさんにそう思いながら歩く。
第一、ぱっと見でわかるまい。
というかね、そもそもね、そんなに自分は他人に見られていないぞと。
距離感がほんとバカになってきている。
私のコミュ力どこいっちゃったんだろう。
一番かわいそうなのは、というかこの状況が一番いやなのはきっとかっちだ。
なのに私はかっちが居なくて寂しいとか、
かっちと会えないのがいやだとか、
全部かっちを主軸にして廻ってると見せかけて、結局のところ自分がかっちが居なくて寂しいのがいやなんだ。
自分勝手な人間だ。
自分がからっぽなのはかっちのせいだけど、かっちだけのせいじゃない。
いつもの花屋さんに花を買いに行った。
最近ピンク系の花が続いてたから、今日は黄色。
白いバラはまたサービスでいただいた。いつものお兄さん、ありがとうございます。
月命日は、なんとなく、かっちが好きそうな、喜びそうなことをしよう。
そう思っていたはずなのに、それすら出来ない。
かっちの喜ぶことは、私が楽しくしていること。
そう、何度も何度も痛感させてもらった、楽しい記憶や思いでが私には在るのに、なんにも出来ない。