白魔道士になりたい

常にFLASHBACK

まだ(大丈夫)を信じられた時

なぞる記7

 

 

この辺りはまじでキツかった。

精神的に何個も穴があって、抜けに気が付かない そんな感じ。

トイレで2回、布団で1回とか、もう日々の嘔吐が当たり前みたいになってた。

とにかくしんどそうで、食欲も全くなくて、薬も飲めなくて、どうしていいのか八方塞り。

でもかっちは『大丈夫大丈夫』と云う。

今なら『全然大丈夫じゃねーからwww』って云って、半ば強制的に病院連れてくけど、その時はそのかっちの放つ(大丈夫)を信じたいって気持ちの方が大きかったんだろうな って思う。

かっちは本当に我慢強い。

我慢が過ぎて、こちらに伝わらないのが、きつかった。

闘病を続けて、なんとなく本当に(大丈夫)なのか、(大丈夫じゃない)なのか分かるようになるまで時間がかかった。

 

 

 

 

ご飯が食べられない人に(食べな)って云うのがつらい。

薬が飲めない時に(飲みな)って云うのがつらい。

なーにを云ってんだ。本人が一番きつくてつらいだろう って思いながら、つらいが溜まってく。

こんなこと当たり前に経験したことがなかったから、余裕もさらさらない。

 

 

そんな中での生検。

肺をちぎった。

嗚咽が部屋の中からずっと聞こえる。

部屋の前から動けなかった。

自分の手をずっと見つめながら、早く終わってほしいって願ってた。

1時間45分かかってぐったり+車椅子のかっちが出てきた。

つらかったけど、これで病理に出せるね って話しかけて、少し休ませてもらってから帰宅。

 

そこからは自宅にずっと居た。

体調はどんどん悪くなる。

かっちが食べられそうなものを云って、それを作ったり用意したりした。

なんでもよかった。食べられればなんでもよかった。

20時過ぎにご飯を用意して、手を付け始めるのが1時とか、もうそんなんがザラ。

最終的に固形物が難しくなって、ウィダーインゼリーを頑張って半分飲む みたいになっていった。

 

 

 

 

この時期飲んでいた薬で、どうしたって忘れられない薬がある。

メニレットゼリー というゼリー状の薬だ。

ゼリー って聞くと、美味しいもの とか、デザート って連想出来るから、飲みやすくて美味しい薬だと思うじゃないすか。

私も最初そう思ってたし、かっちも『薬なのにゼリーとかwww』って無駄にテンション上がってた。

ほんと、無駄に。

【メニレット ゼリー 味】で検索してもらえると伝わる と思いたいw

 

これがかっちは本当に苦手だった。

一口食べて、戻しそうになったくらいだ。

私も一口食べてみたのだが、苦くて喉に通り難い。

薬剤師さん曰く、(あまりの不味さにフレーバーを付けてるんですけど、そのフレーバーもなんというか、あんまり評判よくなくて…w)とのこと。

これを一日一個食べなくてはいけない ってこともかっちのストレスになってたんだと思う。

 

 

 

 

日々沢山の検査、

いうことを聞かない自分の体、

原因がまだはっきりしないこと、

不味い薬、

月末に行われる頭開手術の不安、

食べたいのに食べられない気持ち悪さ、

今まで何不自由なく健康に生きてきた我々に、いきなり重たく圧し掛かった沢山の事柄。

かっちの前ではヘラヘラ明るくしてたけど、お風呂場で毎日泣いていた日々。

なにが出来るんだろう と、なんで私じゃないんだろう って思ってばかりいた日々だ。


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