白魔道士になりたい

常にFLASHBACK

夜桜とひとりぼっち

こんなに近くにあったのに なんで気付けなかったんだろって話。

 

 

 

 

 

この前、お父さんと飲みに行った。

鰻の肝を喰らった。それはそれは美味しかった。

お父さんは焼酎。私は瓶ビールを。

串物の煙にまみれながら、あれやこれや話したり、聞いたり。

 

お父さん『最近物を捨ててるってLINEで云ってたけど、一周忌が終わったら引っ越すのか?』

ぼっち『引っ越すと思う。家賃高いし、動けないことはよくないことだってなんとなくは分かってるんだよなぁ。』

お父さん『おうおう 実家戻ってこよーぜ。』

ぼっち『なんで?』

お父さん『俺がぼっちラヴ(はぁと) ってだけの理由よ。』

 

ナシではないけどアリでもない と、今の私はそう思う。

ってことも云った。

でも、そんな場所があるってのはありがたい。

ってことも勿論云った。

 

 

 

お互い大概酔っ払ってきたので、場所を喫茶店に移した。

 

お父さんはお母さんが居ていいな。

お母さんはお父さんが居ていいな。

妹は旦那ちゃんが居ていいな。

妹旦那ちゃんは妹が居ていいな。

 

珈琲を飲んで話しながらぼんやりと思った。

これは云わないでおいた。

云われても返しようのないこと。

不毛な会話がしたいんじゃない。

それだったら最近読んだ本の感想や、

今月の日本映画専門チャンネルでの見所を話すほうがよっぽど楽しいし、実になる。

 

お父さんを駅の改札まで送って、もっかい駅の外に出た。

お父さんと別れてから、あ、多分今私、電車に乗れる面をしていないだろうなぁって思ったのだ。

 

 

外をぷらぷら歩く。

繁華街。

金曜日の夜だ。

高層ビルに囲まれた空。

かっちの病院が近いな。

ここは最寄り駅じゃないけど。

どーする。

とりあえず酔い覚ましにあるこっか。

あるった。

ゆっくりだらだら、好きな音楽聴きながら歩いた。

かっちのお世話になった病院の前まで来て、なにをするわけでもなく通過。

普段歩かない裏道を歩いた。

そこから電車に乗ろうと思っていたのに、またもや電車に乗るタイミングを失ってしまった。

なんで私こうなんだろーなぁ。

ダメじゃんなぁ。

お父さんにかっちとの昔話や、かっちが過去に沢山やらかした、トンチキ☆ドジっ子話を聞いてもらってたからかな。

すごく会いたくて、会いたくてしょうがなくなった。

 

病院の裏に、こんなスペースがあった。

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2015年も、2016年も、桜を見る余裕なんでお互いなかった。

それまでお花見は2人にとって春の大切にしたいイベントだったのに。

精神的に余裕のなかった私。

きっと、精神的にも体力的にも余裕のなかったかっち。

やっぱギリギリだったんだなぁ。って思いながら桜を1人で見上げた。

こんなに近くにあったのにね。

気付かなかったし、あの時は到底気付けなかった。

そういうものよ と。

そういうものだね と。

もう一駅分、かなり遠回りしながら夜の道を歩いた。

 

翌日の朝、左足のつりでそれはそれはとてもやな目覚めをするんだけど、それはまだこの時の私は知らない話で。

思えばそんなんばっかりだ。

だって今の私は6分後の私を知らない。

みんなそうやって生きてるんだもんなぁ。


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