白魔道士になりたい

常にFLASHBACK

片道切符と往復切符1

先月末、かっちの実家にかっちの遺骨を連れて行った。

結果から云うと、無事、ミッション完了。

 

 

 

 

 

 

 

 

その日、すぐ家に帰ったら。

帰ってすぐ、がらんどうになってるかっちコーナーを見たらきっともれなく私はへこむ。

そう思ったから、かっちの実家終わりにスタジオの予定を入れた。

右手に遺骨、左手にエフェクターケース。

妙ちくりんな組み合わせだけど、まぁ許してよ って思いながら、かっちの大好きだった特急電車に乗り込んだ。

 

 

本当はレンタカー借りて行こうとしてたんだけど。

60代ロマンチスト代表みたいなうちのお父さんが、

『かっちはその特急電車が好きで、それに乗って東京に出てきたんだろう?

じゃあそれに乗せて帰らせてあげて欲しいな』

なんて云うもんだから。

 

その日は朝から雨が降っていた。

(雨かよクソ…)って思いながらの目覚め。

携帯を見たらお父さんからLINEが来ていた。

(あいにくの天気だけど、これはかっちの泪雨。

お前との別れじゃなくて、かっちが過ごして、お前と出会ったり色んな思い出のある東京との別れに相応しい天気。

気をつけて大事に連れて帰ってあげてな。)

なんて云うもんだから。

 

じゃあこんな雨も悪くないのかもしれない。

特急に乗るまでのこの周りの人の目線にも耐えられるかもしれない。

 

そんな導入から始まったこの日。

かっちの実家方面に着いたら、雨はもう上がっていた。

 

 

 

 

 

 

 

お義父さんお義母さんが車で迎えに来てくれた。

ご飯を外で食べてから、実家へ。

そこで私は、何十年ぶりかに折り紙の鶴を折った。

 

 

(骨壷に何を入れる?)

って聞かれたことが始まりだった。

私は手紙を書けたら。あと、かっちの誕生日にあげた眼鏡を入れようかと思っていた。

そしたらお義母さんが『入れたいなぁって思ってるものがあって…』と話し出した。

 

折り紙の鶴を、かっちの歳の数だけ入れたいんだ とお義母さん。

『どうかな?』って質問に、勿論入れましょう!と答えた。

そしたら部屋の奥から、小さい箱を取り出した。

蓋をあけてびっくり。

『実はもう折っちゃったりしてたのw』

お茶目なお義母さん。

一応私にお伺い立ててくれたのか そう思って、そんなんいいのに って気持ちと、かわいいな って想いが交差した。

 

数を数えてみた。ら、ひとつ足りない。

そのカラクリはこうだ。

ぼっち『いっこ足りないっすよ!』

お義母さん『うん!足りないの』

ぼっち『え なんでw』

お義母さん『最後のいっこはぼっちちゃんに折ってもらいたくって!』

 

 

なんか、この日私はよくわからないテンションだったと思う。

 

無事に連れて帰ってこられてよかったなぁ。

でもやっぱ寂しいなぁ。

でもでも、実家でゆっくりのんびり過ごしてもらうんだ。

でもでもでも。

うーん 寂しいなぁ。

 

泣き出しそうになりながら、お義母さんにレクチャーしてもらいながら、私は鶴を折った。

かっちのこと。

かっちの大切に思ってた家族のこと。

かっちの大切に思ってた私の家族のこと。

それから、私のこと。

思いながら、折った。

 

youtu.be

 


にほんブログ村