白魔道士になりたい

常にFLASHBACK

それは色褪せないから、

昨日はかっちの月命日だった。

3回目の月命日。

なんか字面がいやだ と直感的に思ってしまう。

(余命)とか(がん)とか(命日)とか、闘病中は勿論、未だに街中やテレビの中で見ると目を逸らしてしまう字面たちだ。

そんな月命日。まぁそうだ。いいことなんて欠片もないのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日は何をしようか そんな思いで朝起きた。

土曜日に家族でおでかけをして、そのまま私は実家に泊まったから実家での目覚め。

そこそこ眠れて、朝ごはんにゆで卵をひとつ食べた。

 

 

食べながらお父さんとお母さんに(今日何しようかなぁ話)をする。

お父さんに、『かっちの好きだったご飯、何か1品でも作ってみたら?』と云われた。

私は日常的に全然ちゃんとしたご飯が食べられないままだった。

その理由は(なんか)だ。(なんか食べられない)。

もっと詳しく前に書いた気がするからここは割愛。

だから1品。作っても1人でなんとか食べられる量。

 

すぐに思いついた。卵焼きを作ろうと思った。

かっちは私の作るご飯をいつも美味しい、美味しいとばくついて食べていてくれたけど、卵焼きがあると更にテンションが上がる人だったのだ。

卵焼きなら私1人でも食べられそうだし。ということで決定。

 

 

 

 

家に帰って、暫くゆったりした時間の中に居た。

3ヶ月前の今ぐらいの時間は何してたっけなぁとかぼうっと考えながら。

かっちに着せる洋服を家に取りに帰ってたなぁ とか。

もうぼろぼろに泣きながら、タクシーの中で多方面への連絡したなぁ。

タクシーの運転手さんに優しい言葉をかけてもらったけど、なんて言葉だったっけなぁ。

そんなことも忘れてたなぁ。

病院に戻って、かっちの体をきれいにした。

目尻に溜まった涙の痕を丁寧に、痛くないようにゆっくり擦った。

眠っているみたいだったから。

この辺で、思い返すのをやめた。

色々と限界だったから、今日はこの辺でおしまいにしようと思った。

こんなんじゃ闘病中のこと、振り返ってみてブログに残せるのいつになるのか先が思いやられるなぁ。ほんと、まいる。まいっちゃった。

 

 

 

 

思ったより、卵焼きは上手いこと出来た。

変な話なんだけど、自分ちの台所からちゃんとご飯の匂いがしているのがなんか可笑しかった。

 

かっちコーナーに4切れ。私に3切れ。

いつもと同じ等分ではんぶんこして、食べた。

かっちの好きな、あまじょっぱい卵焼き。

3ヶ月ぶりの料理。

美味しい って云ってほしい。

美味しかったよ ってヘラヘラ笑ってほしい。

こんなことを祈ったり、願ったりばかりしてる。

誰よりも弱い祈りだと思う。

叶わないことだって私はもう知ってるから。

それよりも強い願いは、私の中のかっちが動き出してほしいってことだ。

居るはずだから。

いつも私をどーにか出来るのはかっちだけなんだ。と、弱く強く認識する。

そんな事実だけが今は嬉しい。

おかしいかな。

おかしいねこんなん。

おかしいけどこれが私だ。

 

 


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