色々あった反動なのか。
糸の切れた凧みたいにふわっふわしていることが増えた。
おかしい話だけど、自分に対して感情移入し過ぎる感じと、
自分のことなのにどこか他人事な装いな瞬間がある。
そもそも、(自分に対して感情移入)って表現が正しくないと思うんだけど。
これじゃあ自分はどこ?って話だ。
こんなバカみたいなことを考えて、詰んで、放って、の繰り返し。
最近の話をする。
TSBチャンネルでよく【笑ゥせぇるすまん】のスペシャルがやっている。
それを録画して見るのが好きだ。
この前見た中で、【邯鄲の夢枕】という話があった。
(邯鄲の夢枕)あらすじ
家でも会社でも邪険に扱われているサラリーマンの霞(51)は、喪黒から必ず良い夢が見られるという「邯鄲の夢枕」をもらう。この枕で理想的な夢の世界を堪能する霞は夢におぼれてしまい、安眠できる場所を探し街をさまようことに。
TSBチャンネル公式あらすじから引用
うだつの上がらない平々凡々な男が、素敵な夢を確実に見ることの出来る枕を喪黒さんからもらう というあらすじ通りの内容だ。
日常生活での辛いこと、悲しいことも、その枕を使って夢の中に入れば!
自分を、自分だけを慕ってくれる可愛い女の子とメリーゴーランドに乗ってキャッキャウフフな楽しいランデブー。
美化された自分。
時間という概念がなく、ずうっと眠り続けられる。
自分のことを虐げる人も、煩わしい人間関係もそこには存在しない。
これを見て、本気でいいなぁ と思った。
藤子さんはAさんもFさんも私のハート鷲掴みすぎる。
困るんだよこういうの。
本気でいいなぁと焦がれて、なんとかなんないかなぁと暫し考える。
暫く考えるけど、(ありえないか)と脱力する。
結果、(ありえない)のだ。
(邯鄲の枕)で調べるとなかなか面白い記述も沢山あった。
元々は唐の小説【枕中記】の故事の一つだという。
モチーフとして曲芸になったり、能になったりもしているらしい。
そしてこうしてアニメのモチーフになって、私のような人間が知ることにもなる。
魅力的だもの。テーマがすこぶる魅力的だもの。
いつの時代も夢に焦がれていたんだなぁ なんて云い方すると、たちまちノスタルジーになるが、自分としてはそんなに文学的なものではない。
ただ単純に(いいなぁ)って気持ちがひとつあるだけだ。
当然、ドーンのおしおきが待っているわけだが、このお話のおしおきは本当におしおきなのか?と首を傾げた。
主人公が夢から一生醒めなくなる というもの。
えっ おしおきじゃなくてご褒美では?と私は思った。
確かに夢から醒めない彼の姿は酷い有様なのだ。
枕にだらしなくしがみついて、顔色も真っ青。
でもそれは眠っている彼からは見えないもので。
眠っているのだから、現実世界の姿がどうであろうと関係ないのだ。
私もドーンされたい。
魔の巣行きたい。
いいよね、ひとりでバカなこと云ってるだけなんだもん。